通訳学校時代の話 大阪&東京(4)仕事の就き方編

ニコール

(写真は映画 The interpreter より。ニコール・キッドマンがクールです)

 

本日もお読みくださりありがとうございます。

前回からかなり時間は空きますが…今回はもともとのリクエストである、仕事の就き方編をお届けします。自分が経験したこと、または現在私が語学の事業をする中で、見えてくる通訳の仕事、といった観点で書いていきます。

引き続き、通訳学校について興味がある方、そして通訳の訓練の方法を取り入れた英語の学習に興味のある方(と、私のよもやま話を聞いてくれる方)のために書いています。プロとして現在活躍されている方にとっては物足りない内容かもしれません…が、読み進めるのを止めるものではありません。

通訳の仕事をしたいのですがどうしたら…とご相談を受けるとき、その方の属性としては大きく分けて2パターンあります。

1 現役の学生さんで、帰国子女だったり、留学経験のある方。

2 社会人で、以前から英語が好きで、現在の会社で社内通訳や同様のポジションを考えている、または転職や独立で通訳の仕事を考えている

 

1のパターンの学生さんには、大学に講義に行ったり、一般公開講座でお会いするのですが、基本的には、自分が新卒の時の思いや態度にはかなり反してはいるのですが…まず企業などに就職したり、今の勉強を続けて、ご自身の専門性を持つことをおすすめしています。語学の勉強を続けながら。

 

そう、自分はあれだけ、新卒のときに通訳の仕事をしたい、とこだわっていたのに!(汗)

私の話をすると…どの通訳職も経験者しか採用をしていない中、3年生の就活時には、最初から通訳の仕事がしたい!と、私はとても職種に固執していたのです。周りの人がいう、新卒で大企業に就職して、会社の仕組みを一通り学ぶのは、後からとても役に立つよ、という声に全く耳を貸さず。

(結局、当時せっかくいただいた海外営業の内定を断って、公務員試験を受けて通訳になることに決めます。この決断を後悔しているわけではありませんが、後からまた別の形で、会社やビジネスの仕組みを学ぶことになります)

今周りを見渡して思うのは、通訳として独立して、絶えず仕事が来る方、豊かに生きていける方は多くの場合、最初に就職した企業で培った専門性(ITとか…)だったり、長らく続けてこられた学業(特に理系の場合は学会関連の通訳で引く手あまたな方が多いです)が活きていることが多いんですよね。

もちろん、とびぬけて情報処理能力が高く、どんなテーマでも短期間で勉強できるため、重宝されている同時通訳の方というのもいますが…。

通訳というのがinterpretation、解釈の仕事だということを考えると、深く理解できる分野がある、というのはとても強いと思います。訳すという行為の成功の鍵が、内容の理解の深度による、ということをご存知の方は少なくはないでしょう。

 

例えばアカデミアで長らく経験、実績を積まれてきた方の中で…学会や国際会議などで、自分が専門としていた分野ど真ん中にあたる、というケースはそう多くはないと思います。でも、方法論を理解していたり、業界の常識を知っているという点で、準備にしろ、入りやすさがずいぶん違うかと思っています。

 

加えて、専門を語学の他に持つというのは、その業界(純粋な語学)がお金を稼げるものではなくなってしまったときに、他の業界に移動できる、というリスクヘッジとしての側面を持つものでもあります。

こういったことを考えたときに思い出すのが…私の祖母の話です。電話交換手の仕事をしていて、当時は”ハイカラ”な仕事だったらしいのですが、今ではその職や業界は随分形を変えています。しかしテレフォンオペレーターの仕事は今でも存在していますので、例えばコミュニケーション能力に優れていて、ITの知識もあり…といった時代にあったスキルを磨いていくことで、同じ職種でも生き残っていくことは可能、という例ともいえるかもしれません。ダーウィンによると、変化に対応できるものが生き残る、ということらしいですね(笑)

 

2のパターンの方の場合は、社会人としての忙しい時間の合間を縫ってということですが、まずは、通訳のチャンスがあるときにすぐに対応できるように、身になって、かつ持続可能な(sustainable developmentはここでも鍵です) 勉強方法をお伝えしています。マストではないですが、通訳学校に行くのも、時間と精神的な余裕があれば、とてもいいですよね。ある程度の強制力があった方が頑張れるという方にはおすすめです。

同時に具体的な通訳の仕事を得る方法として、今の会社の中で、なるべく通訳の仕事を引き受けてみるとか、同様の仕事の可能性がある部署に異動する、プロジェクトに手をあげる、などをお伝えしたりもします。

完璧にできるようになってから、全部の準備が整ってから、と思うと人生が終わってしまうので、仕事を実際にしながらそこから学ぶのはおすすめです。頼まれて、新しく社内通訳の仕事を引き受けることにした方のトレーニングを引き受けたこともあります(今は、場合によってはお手伝いできるかもですが、案件やタイミングによります)。

なんだか、心構えや準備のような話が多くなってしまいました。きっとみなさんが一番聞きたいのは、どうやって外の仕事をゲットするとか、そういうことの方かもしれません。社内通訳ではなく、独立した人、と仮定すると、

1 通訳学校に通いながら、付属のエージェントに登録

2(学校とは関係なく)通訳エージェントに登録

3 インターネットでの通訳の募集に応募

4 どこからか紹介で話が来る

このあたりが主なところだと思います。方法が最初の2つしかないような気がしている方は少なくないかと思っているんですが(私や私の周りの通訳を目指している友人数人がそうでした)、実際大きな案件などは4が多いです。一つの世界に固執しない、フレキシビリティを持つと、道が開けるかもしれません。

もちろん、最初は経験を積むのが大切なので(この業界の採用は本当に経験重視ということが多いです)、1と2を頑張って、自分の中で実績を積み重ねていく、エージェントの方にも利益をもたらす、そして業界の人はみんな結構つながっているので、信頼関係を築いて、担当者の方が他の会社に行ったときなども一緒に仕事をしたいな、と思ってもらえるようにする、というのはとても有意義だと思います。

ちなみに、

5 通訳が必要な案件を自分で作って持ってくる

というのも、最近ではありかと思います。プロアクティブな方にはおすすめかと。

AIが…とか、英語のできる人口が…とか一見、向かい風になるような要素が多くなる一方のような通訳業界ですが、周りを見渡すと、通訳として優秀で専門分野のある人(特に理系の分野。ざっくりしていますが…ITとか、医学、化学など)、同時通訳が様々な分野で安定してできる人、などはひっきりなしに案件が入り、スケジュールが常に埋まっている気がします。

通訳・翻訳のソフトやツールなどで、海外との簡易コミュニケーションのハードルが低くなり、海外進出の門戸が広がった一方、安定した深いコミュニケーションをとるために、ビジネスを確実にうまく進めていくために、通訳的な役割を担う人の必要性が増す部分もあるのかもしれませんね。

次回は番外編として、「努力の効用」をお届けします。

通訳の仕事を現役でしている方・勉強をしている方の中には、とびぬけて事務処理能力が高い方がいます。しかし、自分がそうではなかった場合…?お楽しみに。

 

 

本日は以上です。

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代表 上田怜奈

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